インフルエンザについて

9月に入り、いくぶん朝夕が過ごしやすくなってきました。

今回は「インフルエンザ」について、少しお話をさせて頂きたいと思います。

近年、インフルエンザが原因で重篤化する高齢者が増加傾向にあります。インフルエンザ予防接種は、高齢者の発病防止や特に重症化防止に有効であることが確認されています。

インフルエンザは突然の高熱・頭痛等の全身症状が強く、気管支炎や肺炎等の合併症を引き起こし、重症化することが多いのが特徴です。

予防の基本は、普段からの手洗い・うがい・十分な睡眠等々、健康管理に気を付けて流行する前に予防接種を受けることではないでしょうか。

予防接種を受けてからインフルエンザに対する抵抗力がつくまでに2週間程度かかります。その効果が十分に維持する期間が約5か月とされていることから、予防接種の有効性を高めるためには、毎年インフルエンザが流行する前の12月中旬までに予防接種を受けられることをお勧めします。

インフルエンザワクチンは昨年と今年では中身が違う可能性があります。

流行する(季節性)インフルエンザウィルスの遺伝子が毎年変異する可能性があることが、毎年インフルエンザワクチンを接種しなければならない理由の一つです。

毎年、流行するであろう型のインフルエンザワクチンを選定しています。また、インフルエンザワクチンは鶏卵アレルギーの患者には接種の際に注意が必要になります。

予防接種したのにかかってしまった・・・このようなご意見をいただくことがあります。効果は免疫に比例します。高齢者は免疫力が元々低いので、効果も低くなるのです。

過労・ストレス・睡眠不足や不摂生な生活をすれば身体の免疫力そのものが低下するので、若い人でもワクチンを接種したから大丈夫と過信してはいけないですね。

ワクチン株と流行株が一致するほど有効性は高まります。最近は一致することが多くなりました。ワクチンは生成までに半年近くかかります。シーズン前から「今年の流行はこれだろう」と予測の元に作られていて、必ずしも今流行しているウィルスに完全に対応しているものではないのです。

逆を言えば、流行株とワクチン株が一致していないと無効になります。

予防接種しなくても同じなの・・・このようなご意見もあります。

ワクチンを接種したうえで、仮に感染してしまったとしても、免疫の反応を活発にし「重症化を防ぐ」という効果があります。

抗体が持つ「交差反応」という現象で、変異によるウィルスのマイナーチェンジが起きたとしても、ある程度型が近いものに対しては、体内にできた抗体が働いてくれる型が近いと効果があります。

ワクチンを打ったからといって、ウィルスに感染しない訳ではないけれど、感染した後で症状を軽くする効果は有ると考えています。

インフルエンザによる重篤な合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限にとどめることが期待できます。

65歳以上の高齢者の方々は、基礎疾患(糖尿病・高血圧・脳血管障害等)の有無に関わらず、インフルエンザワクチンの接種が、脳症などの合併症の発生頻度やインフルエンザに関連する入院や死亡の危険性を減少させると言われています。症状が軽く済むというデータもあります。効果は間違いなくあるようです。

当施設では、11月・12月にインフルエンザの予防接種をさせて頂く期間とし、施設内で接種しております。

理事長 黒田 留未

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